2011年7月 のアーカイブ

鷭の親子

2011年7月31日 日曜日

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都内の公園でこんなに奥深く感じる緑地帯はない。規模としては小さいのに、歩くたびに表情の違う茂りを見せる。石神井公園は特別な花壇を作るわけでもない。石神井川の水源の三宝池をとりまく自然林がそのまま保存されている。とうぜん沼沢植物群落として水辺の植物もとりどりに季節の顔を見せてくれる。
家から地下鉄有楽町線を使っていける石神井公園は身近な黒目川の次によくいく散歩圏である。

こんな恵まれた水源地であるから大昔は豪族であった豊島氏がこの水の支配の為、南の台地に石神井城を築城したのだ。今日は鷭の親子が岸辺から一メートル程の杭の上に姿を見せていた。

増殖する俳句歳時記

2011年7月30日 土曜日

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増殖する俳句歳時記も15周年。学士会館でそのお祝いの会が開かれた。1時開始と思いこんでいたので特別早くついてしまったが清水哲男さんは会場においでになった。清水さんは今年はご尊父をなくして、弟さんの昶さんを亡くしたので、お悔やみとお祝いの両方を言うことになってしまった。「吉凶が入れかわりにやってきて」とおっしゃったが清水さんは声が若い。そういう人は長生きすると思う。なんでもこつこつと続けていれば形になっていくものである。

原爆投下は誰が

2011年7月28日 木曜日

恩師が買い物ついでに立寄りませんか、というご案内を下さった。一度お邪魔したことのある会で、丁度原稿も送って一息入れたところなので夕食をとる気分で銀座に出掛けた。昭和3年生れのO先生はいろいろな会を持っているらしくて、今回のは以前の明治書院が主催しているのとは違うようだ。「河南省を訪ねる会」だという。そういえば同窓会の折りに中国へ行く話をたびたび伺っていた。

お隣の人がこれまでに訪れた地名の一覧表を見せてくれた。たくさんの地名の中から天津・旅順・大連・ハルピン・蘇州だけは知っている地名だった。そうして敦煌・トルフアン・ウルムチ・なんかは行ったことがあると言うと今度行きましょうよ、と言う。しかしこのごろは何故か飛行機に乗るのが怖いのである。この会員は毎年訪中していて20年続いているのだという。「もう惰性みたいになってしまった」、とその女性は言う。

で今日のお話は、O先生が広島で原爆に遭遇した話であった。始めて聞く話であるが、当時先生は江田島海兵隊学校にいたのだという。何時も敵機が来ると警報が鳴るのにそのときは鳴らなかった。それは三機だけで爆撃するようには感じられなかったからだろうという。「見ているうちにきのこ雲になったが、写真によく出るのとは違っていましたね。僕は下から見ていたんですから。この写真はアメリカ軍が上から撮ったもので、残念ながら日本にきのこ雲の写真はないんですよね」とおっしゃった。先生は原爆慰霊碑に「安らかに眠ってください。あやまちはくり返しませぬから」ということばに憤慨なさっていた。いったい誰があやまちをしたんですかとおっしゃるが、確かに原爆投下は日本が行ったのではないのである。

灯篭流し

2011年7月24日 日曜日

110724_1831~02黒目川の灯篭流しは3回目らしいが初めて出掛けてみた。6時半というのはまだまだ明るく、始まらないと思っていたが、すでにたくさんの灯篭が川に浮かんでいた。明るいから火が全く見えない。写真の灯篭も真上から覗くと確かに蝋燭が灯っているのである。

このぶんだと明るいうちに終ってしまうなーとやきもきしながら見物していた。暮れてきて、頭上を蝙蝠も飛び始めた。ようやくいかにも灯篭らしい灯を川面にも落としながら流れてゆく。灯篭の流れに合わせて、土手を歩いていると、一キロくらい下流で、灯篭を回収する作業をしている人の一団がいた。ごくろうさま。 110724_1908~03

 

 

 

 

 

ーー黒目川は、東京都および埼玉県を流れる一級河川。荒川水系で新河岸川の支流である。東京都東久留米市と東村山市、小平市の境界に位置する小平霊園内の「さいかち窪」に源を発し、東久留米市、埼玉県新座市、朝霞市を流れ朝霞市大字根岸で新河岸川へ合流する。ーー

ウィキペディアにはこんな説明が出ていた。源流がいつも墓参にいく小平霊園内ということを初めて知った。ここは両親の墓があるところで、毎年一度ならず墓参には行っているが、ついぞそんな気配を感じる場所はみたことがない。機会があったら、霊園内を歩いてみることにしよう。

締め切り

2011年7月22日 金曜日

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 当たり前のことだが、原稿は締切日が覚悟の日というか、あきらめ日。今日は21句の入稿日。もう原稿を入れる前から広告が出来上がっていた。昨日も定例の吟行会があったので、それも整理してやっと21句を纏めた。21句のテーマを一元的にしたいと思ったが力が足りない。あまり内容が散漫にならないあたりで作品を纏めることも内容の勢いに繋がるような気がするのだ。

広告の版下は2種類はいっていた。どうもこの9月号の作品を俎上に公開『合評鼎談』が行われるようだ。

 

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なでしこジャパン世界一

2011年7月19日 火曜日

勝ったことを知りながら観た試合だったが、それでも観ながらほんとうに優勝したのだろうか、と思えるほどはらはらする試合展開だった。同点で延長になってもまた同点で、最後はPK戦を3-1で制した。試合展開の中でも、さすがに王座を守ってきたアメリカチームの試合運びは抜群の上手さだった。

だが一方試合後の澤穂希の「優勝するシーンしか想像できなかった」というコメントに再び感動した。澤選手は「最高の舞台で、最高の仲間と一緒にメダルを取れたのはうれしかったし、楽しかった。今日の決勝戦は優勝するシーンしか想像できなかった。日本が青のユニホーム、青のパンツ、青のソックスで戦って、表彰台の上でトロフィーを掲げるシーンまで鮮明に想像できていたし、ユニホームの色も含め、本当にそうなりましたね。また、今日は川澄にネイルを新しく塗り直してもらったんです。これをやる日は必ず点が取れるんです。」と。

やはり自分の未来を想像することで前に進めるのである。震災以後の初めてのそれも飛びきり明るいニュースである。

暑い「海の日」だ

2011年7月18日 月曜日

「6月の原発稼働率36.8% 79年以来の低水準」
こんな記事を見て考えさせられてしまう。現在この稼働率で居られるということは、いままで原子力発電を作りすぎたとも言える。このことが、電気は蓄積出来ないために見えにくかったのだ。これが備蓄の効くお米なら、直ぐ減反等と騒ぐところである。

どんな理由でも、こんなに恐ろしい影響力を振りまく原子力発電は反対である。これからの選挙では、この原子力問題に対する発言は選挙公約の大きな柱になるだろう。私は完全反対をする人に一票を入れる。この原子力問題に対する主張のない人は、原子力推進派よりももっと程度の低い人で問題にもならない。福島原発はとりあえず廃炉になるだろう。しかし、それすら数十年の月日を要することを考えると空恐ろしくなっる。

今頃になって、出荷した牛肉から高度レベルのセシウムがが含まれていることが発表された。こうした事故に対する対策マニアルが出来ていなかったために、後手に回る事故が多い。

7月17日現在の岩手・宮城・福島の被災者は

      死者ーー10,000578人
      行方不明ーー5070人
      避難者–9万9236人

健康診断

2011年7月15日 金曜日

何処に居ても暑いので、こんな日に健康診断を済ませてしまおうと、いつもの病院に出掛けた。行く道中でどう考えてもあのバリュウムを飲むのだけは耐えられないから、何とか受診しない言い訳はないものかと思ったが、思いつかないまま病院についてしまった。受付の人が腸癌の用紙、胸のレントゲンの用紙、そのあと胃のレントゲンの用紙を差し出した。

それで思わず「胃はいいです」と言うと、受付の人は「あ、そう」とさっさと、胃癌検診の用紙をしまいこんでしまった。待合室で待ちながら、なーんだ、そんなに思いめぐらすことも無く簡単なことだったんだと気分が楽になっていた。ところが、呼ばれて診察室に入ったら開口一番「どうして胃癌検診しないの」と先生がおっしゃる。家を出て来る道中での言い訳が思いつかなかったのだから、そこで急に聞かれては、素直にバリュウームを飲むのが嫌だと言うしかなかった。

「あなた、この周辺の四市で朝霞市だけが無料なんですよ。それにうちのは集団検診で行うバスのなかの機械とは全然違うんだから」とどうも受けなくてはならない雰囲気になってきた。「バリュウムは後でお薬もあげますからね」と看護婦さんも援護射撃をしてくる。そうだ、ここは胃腸外科だった。そこで肝心の胃腸検査を受けないですむ筈か無い。それじゃ受けますと渋々応じたが、「バリュウムは50グラムにしてください」と言い添えるのを忘れなかった。先生がいろいろ私を説得させる言葉の中に、バリュウムが嫌なら普通は100グラムだけど50ギラムでいいから、と言っていたのをしっかり胸に畳み込んでおいたからである。

体重47キロ・身長149.6センチ・最高血圧105と最低血圧75。そこだけ覚えて帰ってきた。あとは二週間後のすべての検査結果が出てからということで。待たされるのを覚悟で、家を出るときに持って出たのはカントの「プロレゴメナ」。こんなときには難しい本に限るのだ。いまさら、とは思ったのだが、先日岩波文庫本の並ぶ棚で目が合ってしまったのだ。カントの著書の中ではやさしいらしいが、初めから理解出来ない本である。「プロレゴメナ」とは序論というギリシャ語。もっとも、序論と言っているように、カントの大著『批判』を自ら解説し要点を絞っているのである。だから、「プロレゴメナ」を読んでからその著を読めば分かり易いのだという。

一頁目で面喰ってしまって、改めて目次を開いた。自分が興味を持っている分野なら少しは辛抱出来るかなーと思ったのである。そこで行き着いたのが、第三章の能五五節「神学的理念」である。ここの箇所の冒頭にもーー(3)神学的理念(「批判」」第571頁以下)とタイトルに添え書きされている。あきらかに自著『批判』を解説しているのが解る。

これはカントが悪いのか、訳者が悪いのか、とにかくセンテンスが長い。そのなかのーー神学的理念の場合には、我々が思惟の主張の主観的条件を物自体の客観的条件と見なし、また我々の理性を満足させるために必要な仮説を教義と見なすところから生ずる弁証論的仮象は、たやすく露呈せられるのである。ーーという箇所から好き放題に主観的に論じてもすぐに底が見えてしまう、ということを見付けたところで、名前を呼ばれた。

この文庫本の親切なところは、言葉からの索引が成されていること。「神」の項目には「神学的理念」の頁のほかに、神の本性については197、228頁があり、神の働きについては197頁にあることが付されていた。そのあたりから探れた神論も完結はしないように思える。

安住敦を読む会

2011年7月14日 木曜日

以前「石鼎」句集を読むからと、お誘いを受けたことのある「銀漢亭」での定例会。今回は「安住敦」を読む、ということで出掛けた。というのは、「安住敦」ということで、「春燈」の前主宰もお見えになるということで、「ににん」10周年に出席して下さったお礼も言いたいと思っていたのだ。

テキストはふらんす堂の文庫本『安住敦』句集。いつものように20句選とワースト5句を持ち寄っての会。安住敦のように人口に膾炙された作品群から選ぶのは非常に難しい。名句中の名句ともなっている「しぐるるや駅に西口東口」はやはり人気句であった。選は年代でも違ってくる。ランプを売るなどという風景は現在では骨董市くらいしか現実感がないし、山羊のいる風景なども昭和20年代は日常によく見かける風景だったが、若い人には非日常の風景だ。。

柿の木坂だより  岩淵喜代子選
銀杏ちる兄が駈ければ妹も
春の驟雨たまたま妻と町にあれば
しぐるるや駅に西口東口
籐椅子に友若ければその妻も
きりきりと日が落ちてゆく胡桃割る
ランプ売るひとつランプを霧にともし
降誕祭町に降る雪わが家にも
昼の月あはれいろなき祭かな
冬の虹消えむとしたるとき気づく
秋の海見て来し下駄を脱ぎちらし
子に蒔かせたる花種の名を忘れ
緑陰にして乞はれたる煙草の火
舞ふ獅子にはなれて笛を吹きにけり
籐椅子を立ちて来し用忘れけり
麦秋のしんかんたるに耐へゐたる
極月のくらやみに山羊鳴きにけり
涅槃図に束の間ありし夕日かな
秋風や家鴨は家鴨どちかたまり
こほろぎの昼は遊べり石の上
しんかんとあめつちはあり寒牡丹

逆選
くちすへばほほづきありぬあはれあはれ
啄木忌いくたび職を替へてもや
秋風のわが身ひとつの句なりけり
水仙の枯れゆく花にしたがふ葉
鳥帰るいづこの空もさびしからむに

逆選の持ち寄った5句はかなりぶれがあった。それは、選ぶ人の選句眼というより、逆選の選び方でる。逆選は一番悪い句というよりは、有名だが自分はいいと思えない句なども入るからだ。だが、問題になったのは、その文庫本はーー代表作を網羅し精選350句を収録ーーと書いてあることだ。たとえば「みごもりしことはまことか4月馬鹿」「冷まじきものに東司の糞壺よ」「老いざまはとまれ生きざま年初め」などの作品である。

逆選として抽出しなかった人も、そんなのは問題にする気も無い駄句として無視してしまったという意見に纏まった。要するに350句に入れなくてもいいではないかということだ。

鎌倉佐弓句集第五句集『海はラララ』 2011年  沖積舎

2011年7月13日 水曜日

1953年生れ。2001年現代俳句協会賞受賞。

  畳涼し紙屑ゆっくりと開く
  たらちねの母でいっぱい冬青空
  雨脚ぽぽぽと蒲公英とじゃれている
  君のそば桜草なら咲いていい
  こつんと一つ骨壺に骨咲いた

以前の句には「サイネリア待つといふこときらきらす」「母と子と雀にフランスパン一本」「黒葡萄父をまぶしく見し日あり」定型の切れがあったが、その枠をさらに取り払ることを、意識しながら作り始めている。口語調、というだけでもなぜか若々しいものになることを知る。

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