2022年3月 のアーカイブ

人形芝居

2022年3月30日 水曜日

honnda
下北沢は不思議な街である。道が続いているような、途切れているような見通せない街で、小さな飲食店がぎっしり続いている。それでも懐かしい匂いがする。このまえ来たのはいつだっただろうか。

仲間のお誘いがなければ縁がなかったかもしれない。人形劇なんて、とおもいながらだったが、そんな気持ちを払拭してくれた。メイドの身のこなし、靴のコツコツとする音まで忘れられないいきいきとしたものだった。

カフカの変身は、思ったほど物語を覚えていなかったが、見ているうちに思い出してきた。改めて小説『変身』を凄いと思った。人形芝居と言っても操り人形である。黒子が一人で糸を操作するのだが、私の席は、丁度人形の世界と同じ位置だったので、見上げなければ黒子は目に入らなかった。

追悼 清水哲男さん

2022年3月13日 日曜日

 清水 哲男氏(しみず・てつお=詩人)7日午後5時25分、腎不全のため東京都新宿区の病院で死去、84歳。
 75年に「水甕(みずがめ)座の水」でH氏賞
 94年に「夕陽(ゆうひ)に赤い帆」で萩原朔太郎賞と晩翠賞。
 96年から16年までホームページ「増殖する俳句歳時記」を運営するなど、俳句の評論でも活躍。
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 お目に掛かったのはいつだっただろうか。清水哲男さんの消息を伺ったのは、詩歌文学館賞の授賞式のために、北上の文学館迄出向いた時だった。そのとき、車椅子で句会に出向いているのを知った。3年くらい、いやもっと前だったかもしれない。
 初期の「ににん」に毎回寄稿して頂いたが、「ににん」15号(2004年)には「おーい、老い」という一文を書いている。武者小路実篤の詩や谷崎潤一郎の『瘋癲老人日記』などの老いに触れた文章をとり上げて。最後に清水さんは、

 この国で老人の文学に相応しい文芸ジャンルがあるとすれば、それはやはり俳句だろう。どういうわけか(本当に何故なのか)、俳句に関心を抱く人には老人が多いし、長生きの俳人も実際に多い。だから、俳句ははきっと面白い老いゆえの乱れや発見がたくさんありそうである。そう思って、このごろはその視点から読んだりしている。
次回気が変わらなかったら、俳句と老いについて書いてみたい。

このあたりから老いについて考えていたようだ。最後の行によれは16号も老いについての文章がある筈なのであるが、気が変わったらしい。

心より、お悔やみ申し上げます。

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