2015年12月 のアーカイブ

ににんの動向

2015年12月27日 日曜日

数年来、俳人協会への入会問題はくすぶっていたが、今年になって好転した。その理由はよくわからないが、とにかく、「ににん」創刊15年目にして初めて俳人協会への推薦枠2名の依頼書が届いた。

そのほかに、今年度から支部にも推薦枠が配布されたとかで、日ごろ推薦枠のない「ににん」へ真っ先に2人の推薦枠を振り分けてくれた。もちろん、そちらは埼玉県人でなければならないのだが、とにかく会員4人が一挙に俳人協会員になった。年月を経ると、どこがどいう風というのでもないが、少しずつ変化はおきるものなのだ。

「ににん」冬号が今日の夕方には届くらしい。それから袋詰め作業がある。今回は記念号なので、いつもの3倍くらいの厚さなので、冊数は同じでもががさばるから、作業が大変。

近くの高校生にアルバイトをお願いしてある。冊子は重いのでうっかりぎっくり腰にでもなったら大変である。今年度中には郵便局に預けてしまわなければならない。それで、今年の仕事収めとなる。

今回の記念号については、編集には殊に日数を取られたが、有能な編集スタッフのお蔭で乗り切ることが出来た。ひとえに感謝である。

数え日

2015年12月17日 木曜日

IMG_20151215_0001     一年がかりで編集した15周年特集号が出来上がりを待つばかりになった。ほっとしているひと時である。写真でもわかるように、それぞれの巻頭の句には、著名な詩人の作品を添えて、ことばの掴む空気を比較していただきたい。

気に入った俳句があったら、その人の句集をひも解いていただきたい。気に入った詩があったら、その全文を是非読んでいただきたい。加えて、特集ページにはデザインのプロにおねがいして、写真のような情緒のあるページになった。

特別企画がいつもの「ににん」と一緒になって一冊になるので、今までの三倍の厚さになる。発送もちょっと手間取るかもしれないし、袋もいつものでは入らない。

いよいよ私の数え日である。

浜田はるみ第一句集『韻き』 2015年  本阿弥書店

2015年12月13日 日曜日

IMG_20151213_0001   昨日に続いて、浜田はるみさんの第一句集が出来上がりました。まだ出来立てのほやほやで、発送はこれからだと思いますが、気持ちのいい句集だと思います。

日向ぼこ神がとなりに来て座る

風鈴を水平線に吊るしけり

家計簿をひらく銀河の片隅で

大寒や枕に耳の置きどころ

留守番の代り盥の大西瓜

葉書出しそびれてへちまぶら下がる

掛け声は端から端へ稲を刈る

一身に海を集めて海女潜く

それからは百日草の真昼かな

 

山内美代子著『藤が丘から --墨彩画と俳句』

2015年12月12日 土曜日

  山内美代子ブログワンタッチ日傘開きぬ山の駅

躊躇いもなく素早く開くワンタッチ傘は、布の張りつめる音も、ことさら山の駅では響いただろう。ただそれだけの風景であるが、これからドラマが始まりそうな印象的なシーンである。私には、冒頭の句は山内美代子さんそのものに思えるのである。彼女はまるで屈折など持たないかのごとく真正面から物事を見詰め、人に向き合う質なのである。その率直さに好感を持つのは、私ひとりではないだろう。

 初花の混み合ふところうすみどり

もちろん、ワンタッチ日傘とは違う深遠な句も作れる作家である。当時、所属していた「貂」の指導者川崎展宏氏は、良い作品が出来ると自分が作ったかのように喜び騒ぐのだった。この句のときも、投稿されてきた句に興奮していた。自分の鑑賞を作者である山内さんに確かめ、さらにわたしにも電話してきたのである。

山内美代子さんと私は「鹿火屋」に入会したのが同時期で、原先生を囲む吟行の旅も一緒だった。その後、『菜の花は移植できるか』の著書を持つ佐藤和夫氏から「貂」への入会を促されたときも、二人で参加した。そうして、ほぼ四十年ほどの月日を過ごしてきた。

昭和四年生れの彼女は今年八五歳。一度はいまさら本など作っても、と思ったこともあったようだ。私もそれもそうだな、とあえて勧めることもしなかった。ところが五月に鳩居堂で墨彩画の展覧会を開催することを思い立った途端に、本も作りたくなったようだ。行動を起こすと、細胞が活気づいて志向も行動的になるのだろう。その活気が山内美代子さんの魂と繋がって、この一冊に纏まった。 (序のかえて  岩淵喜代子)

荒天だったらしい

2015年12月11日 金曜日

151208_1437~02     あちらこちらでの暴風雨の被害報告のニュースが流れていたが、我が家の周りでは雨音もなくて静かな朝だった。そうして午後になったらすっかり晴天になっていた。

いつもの散歩道の傍らの黒目川は多少水嵩があったが、あちらこちらに鴨も穏やかに屯していた。落葉を撮るつもりだったが、影絵をとっていた。わが影が足長おじさんになっていた。

午前中、雨を降らしていた雲は、と見渡せばみんな秩父連山の手前に溜ったようになっていた。スーパーで買い物をして外へ出て吃驚した。さっき橋の所で、秩父連山のところで溜っていることを確認していた雲が、帰り道では東の空まで覆っているのだ。

橋からスーパーは5分くらいの距離、それからスーパーで買い物を選んだとしても、小さな店だから30分もかかっていないと思うのである。確かにさっきまで青空だったことがわかるように、雲の切れ目切れ目ごとに晴天が覗いていた。

まるで、お盆を傾けたかのように一瞬のうちに空に雲が広がったみたいだ。その移動の様子を見なかったのはちょっと残念。14日日没から15日の明け方までの「ふたご座流星群」は是非観たいものである。

武田肇句集『大晩課』 2015年  私家版

2015年12月11日 金曜日

武田肇句集『大晩課』 2015年  私家版
鏡のへりで世界は曲る春夕
十六夜の闇は西瓜の種ひとつ
鉛筆に芯の悲しみ山吹も

藺草慶子『櫻翳』 2015年 ふらんす堂

2015年12月8日 火曜日

水に浮く椿のまはりはじめたる
十人の僧立ち上がる牡丹かな
大寺の日向水とて顔うつす
わが身より狐火の立ちのぼるとは
海鳴にたたみて厚き蒲団かな

行方克己第七句集『素数』 2015年 角川書店

2015年12月8日 火曜日

かなかなのかなかなかなと揺り返す
しろながす鯨のやうに雪残る
愚かなることを愚かに大念仏
素数わが頭上になだれ冬銀河
冬ひばり極みに梯子外されて

星野光二第三句集『弓勢』  2015年  文学の森

2015年12月8日 火曜日

方蔭や海抜ゼロの理髪店
人の名を思い出せずに赤のまま
初午や寅より機嫌よき狐
目覚むれば馬柵を越えゆく霧の音

鎌田俊句集『山羊の角』 2015年  恵曇舎

2015年12月8日 火曜日

冬薔薇のぞけば港ありにけり
流木の匂ひ手にあり寒昴
ばらの雨白い鯨が来るだろう
日だまりをひとつにつなぎ冬の園
抱けば子の熱きはらわた十三夜

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