一枚目の写真を見るとこれがラーメン店とは誰も想像しない。第一店の看板も見えない。ところが門を入って入口に立つと左手に看板らしきものがあった。これじゃー何屋さんかもわからないが、入り口には奥へ進んで並んでくれという案内が書き込まれていた。奥へ入ってもさらに奥まで進まないと人気がない。すべてはひとつのお屋敷の中なので、外からはその賑わいが全く感じられない。
ラーメン店の入り口を遠くに眺める位置の縁台に、20人くらいの人がいた。席が空くと見越しの松の向うの戸が開いて「何人!!」と尋ねる女性の声が掛かる。案内されたのが30分後くらいだったかもしれない。メニューはラーメンしかない。
曾孫の小学校入学祝に仙台まで行ったときのことだ。ラーメンでも食べていこうかということで、その気になっていたが、一瞬、娘夫婦の記憶が間違っているのかと思ったほどだ。味はちょっと濃い目のかつお出し味、まずいと言わないがどんなに美味しくってもラーメンですからね。なんだこの盛況ぶりはという感じだった。門の外の駐車場は昔映画館だった跡地だという。
ラーメンで腹ごしらえをした娘夫婦と私たち夫婦で、塩釜まで車を走らせて、夜の祝宴の食材探し。さすが海のもの山の物のどちらも豊富。筍はまだ九州産だが、山菜は周辺のものなのだろう。蕗の薹、こごめ、多羅の芽はもちろんだが、わらび、行者にんにく、うるい等・・・。見物するだけでも楽しい密度のある風土色だった。