花は葉に置かれた椅子が動かない    山崎文子

俳句は瞬間を言い留めることで読み手への浸透力がより強くなる。まさに写真のシャッターチャンスみたいな間合いが必要である。しかし、冒頭の句の(花は葉に)の季語は時間が内在している。花どきから葉桜どきへの空間が込められている季語である。その空間が(置かれた椅子が動かない)の内容を物語っていくのである。

他に(柿の種あり暗闇も少しあり)なども鑑賞したい句。 山崎文子第一句集『冬桜』 2015年 東京四季出版

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