昨日は 目覚め際に変な夢を見てしまったが、その読みかけの本というのは今回読売文学賞の評論部門を受賞した黒岩比佐子の『パンとペン』 という評伝である。社会主義者にも疎く、堺利彦はさらに疎い存在だったが読み始めてみると退屈しない。
副題に「社会主義者・堺利彦と「売文社」の闘い」とあるように明治の初めに生れて昭和8年まで、まさに軍国主義国家のなかで社会主義を貫いた人物。著者黒岩比佐子は昨年末に亡くなっている。五十二歳くらいだろう。だからこの読売文学賞の受賞を知らないまま去ってしまったことになる。
黒岩比佐子の講演を聞いたことがある。今年の一月だから勿論フイルムライブであるが、もうひとつひょんな縁で、この著者の昨年2010.07.18)日のブログと私の石鼎ブログ2010.07.23)日を並べて、ご自身の めぐり逢うことばたち というブログで紹介して下さった方がいた。今になってみれば物凄い名誉なことなのだ。