立春

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明治記念館で毎年行う「大江戸山伏勧進祈願際」に参加してきた。立春の日に行われる祈願祭りで直会まである大がかりな行事であった。昨年の秋、出羽三山の俳句大会選者を務めた縁でご招待をして下さったようだ。事前に座席札は送られてきていたが、案内されたのは最前列のメインテーブルだった。

同じテーブルに案内状を頂いた出羽三山神社の宮司さん、そして女優の原田美枝子さんや写真家稲田美織さん。読んだばかりの『見残しの搭』の著者久木綾子さんが一緒だった。それぞれが、羽黒山に所縁を持った方らしい。ことに久木綾子さんは70歳になってから17年かけて発表した五重塔についての歴史小説を書いた方。作家デビューは89歳だという。そんな年齢にはとても見えない綺麗な方で背筋もピンとしていた。
 
『見残しの搭』は周防国五重塔についての歴史小説で、ほかに羽黒山の五重搭を書いた『禊の搭』もある。ご挨拶の中で、大工道具一つをも知らなかったので、その一つ一つを確認することにも時間をかけていたという苦心のようなものを話していた。90歳まで生きられるなら、何かもう一つ仕事が出来るわねと同行の仲間と呟いた。大方の人が70歳くらいになると「どうせそう長くはないのだから」と、投げやりになって生きているのではないだろうか。このごろ90歳を越えた人のパワーが凄い。

山伏というのは山中をひたすら歩き、修行をする修験道の行者で、現在は女性もいる。奈良吉野山地の大峯山(金峯山寺)や鳥取県の大山、山形の羽黒山など霊山を踏破しながらの修業。そのことによって、山岳の自然の霊力を身に付けるらしい。ほら貝は山伏が山中での合図のために吹くのだ。 新年の御払いを受けて改めて今年を意識する一日だった。

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