2012年8月19日 のアーカイブ

片山由美子第五句集『香雨』  2012年7月  ふらんす堂

2012年8月19日 日曜日

断崖をもつて果てたる花野かな
枯野より枯野の色の羊飼
大年の沙漠に見届けたる夕日
香水をえらぶや花を摘むごとく
風船に引かれ消えたる子もあらむ
大いなるマスクの人を待たせたる

朗読には声量のありったけを使い、パフォーマンスを駆使する方法と、日常的な音量で隣人に語るような静かな朗読の方法がある。どちらがいいというのではなく、それぞれの表現法である。例えれば片山氏の表現方は後者である。すべての句が日常の延長でさりげなく掬い取られていた。今回の句集には海外詠が多かったが、その海外詠もそうでない句も、平常心の続きで詠まれていることで共感出来た。

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