2012年8月18日 のアーカイブ

浅井陽子第二句集『紅鏡』  2012年7月

2012年8月18日 土曜日

四間取りのひとつは炉の間雛飾る
清水の舞台の下の恋ぼ猫
紙風船たためば舟のかたちして
東京の土産に椎の実をひろふ
桟橋にまで続きたる夜店の灯
蕪村忌やうすずみ色に霜崩れ

「王道をゆく俳句」という評をすることがよくある。王道とはどういうことなのかと私なりの言葉にしてみれば、俳句のいちばん基本的な道を辿っていると言うことなのだろうと思う。すなわち、写生派の根本を貫いていることなのだと思う。浅井さんの俳句はまさに「王道」を貫いている手堅い作品集である。

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