2011年3月16日 のアーカイブ

春の地震5(東北関東大震災)

2011年3月16日 水曜日

今日はじめて午後6時20分にわが地域に計画停電が実行された。こんなときは月光の明るさが吃驚するほど存在感を持つ。電燈が消えた途端に窓から射しこむ月光がフェンスの影を部屋に倒してファンタスティックな模様を作っていた。

寝室の雨戸を閉めようとしていたときに、ベランダの上が妙に白っぽい。何が置かれているのかと顔を寄せてみるとなにもない。ベランダの上に塗られたリノリユームが月光を捉えているのだ。

階段を降りようとしながら電燈のスイッチに指先が行くのは、もうそういう習い性になっているのだ。点灯しないことを改めて認識しながら、そろそろと全く見えない階段を一歩ずつ下りた。それでも勝手知った我が家の階段の感覚は心得ているから慌てない。玄関の施錠を確かめるために戸口に立ったとき、ちょっと外を覗いた。やっぱり暗い。みんなどこも停電なのだ。

おやと思ったのは道路が濡れているように思えたことだった。雨が知らない間に降ったのかと思ったのだが、それは樹影だった。真向かいの薮の木立の影がくっきり輪郭をもって倒れてきていたのだ。まさにそれは「花影婆娑と」の光景なのである。

いやー、何十年となく住んでいたが、目の前の薮が夜も影を作るなんて思ったこともなかった。いつも我が家の前に街灯がついているので、そこに木立の蔭が映ることなど無かったのである。これも、東北関東大震災のお蔭かも知れない。

春の地震4

2011年3月16日 水曜日

地震以後カルチャーも句会も祝賀会も中止になったから、ほとんど家に居るのだが、時々の余震やら、よく掴めない被災地の様子やらで落ち着かない時間を過ごしてきた。昨日、やっと娘から電気が通じたとの連絡で一安心。

それでも、ガス水道はまだ通じないので、家でのお風呂は使えないらしい。どこかの銭湯が開くという情報を得て、並んで入ってきたという。30人ずつ30分と決められての入浴だったが、救われた思いだったとか。問題はガソリンである。3時間並んで10リッターしか買えないらしい。それでは3時間待っているうちに半分消費してしまうと嘆いていた。

ガソリンについては、こちらでも不足していて、スタンドが閉っているところもある。必要なものを送ってあげたいが宅急便も郵便局も宮城県は受け付けて貰えない。なんだか知恵がないような気がする。こんなときこそ郵送手段を発揮してもらえれば助かるのに。

それにしても地震に追い打ちをかけた原発事故はどうして起こったのだろうか。よくシステムが掴めないが、原発が地震によって止まるようにしてあったようだが、無理に止めたことが、次の事故を誘発しているようにも思える。作るときには高頭脳を寄せ集めて完成させたかもしれないが、それを管理する人たちに管理する能力があったのかどうか。今回の原発は、地震でも作動させておいたらどうなったのだろうか。原発事故は絶対起してはならないのである。

宮城県の北にある女川原発の村を訪れたことがある。友人に同行してその親戚に宿泊させてもらったのだ。その村は原発を受け入れたことで潤っているようだった。20年以上昔のことだが、当時過疎化している村には、あまり使われないという立派な体育館やら運動場などの施設が聳えていた。

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