2011年3月22日 のアーカイブ

春の地震11・会のキャンセル

2011年3月22日 火曜日

さまざまな会のすべてがキャンセルだったが、その中で唯一実行された会があった。それもあの大地震の翌々日の13日である。自分の会やらカルチャーの中止をした後だったので当然そこも中止と思ったがお知らせがないまま当日の朝が来た。会場の市ヶ谷のアルカイデアに電話を入れてみると「やりますよ、お気をつけてお越しください」という返事が来た。

この心真会というのがちょっと内容が掴めないままの出席なのだ。主催者が明治書院のなんやらとあった気がしたが、今日思いだして書こうとしたときに、その案内のプリントなどを紛失していた。私が出席の返事を出しておいたのは、ただ、その会の中心が少し前に会ったばかりの恩師だったからである。老齢化で会員が減ったので教え子にも声をかけているという旨のことが書かれてあった。

その教え子の一人のわたしは、11日、まさに地震の直前に先生から電話を貰っていた。先生は会場がわかるかという心配をしているのだ。それで、あと同学年では誰が顔を見せるのか伺ってみたら、「君にしか声かけていないよ」というではないか。ヒイキという懐かしい言葉を思い出した。いやいや一番暇そうに見えたのかもしれない。「でも心細かったら誰か声掛けてもいいよ。当日来ても大丈夫だから」とおっしゃった。そんな経緯もあって、大地震のあとでも、あちらが取り消しにもしないかぎり欠席するわけにはいかなかった。

たぶんその先生なら、教育関係者があつまるのかなーと思った。私のテーブルには入社からずーっとその恩師の係だったという明治書院の社員がいた。恩師は80歳を越えていた。そうなると、もう地震なんて驚かないのかもしれない。会が始まって恩師が前のテーブルでスピーチをしているときにもぐらぐらと揺れた。恩師は「揺れているねー」という会話を挟んだ。

最後までよくわからない会だったが、隣に座った人は彫刻家の吉野毅氏、自決する前の三島由紀夫の彫刻を本人から依頼されて作ったそうだ。その方は「先生は美人好みなんですよね。以前女子大生の写真を持ってきて、それの彫刻が出来ないかなんていうんですよ。それがほんとうに綺麗な子なんですよ」とおっしゃった。明治書院の人とはその出版社から数年前刊行した「石鼎窟夜話」上下巻を話題にした。「先代の社長は石鼎が好きだったから」、と言うのだった。

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