正津氏が碧梧桐に感心を寄せたのは全国行脚『三千里』にある。 それは自身が山を愛している所縁だと思う。そうしてもう一つの理由はタイトルにも付されているように「忘れられた俳人」であることに憤慨しているのである。 子規の双璧だった虚子と碧梧桐、それがなぜ虚子だけが抜きんでてしまったのか。「ににん」の今年前半まで連載していたものが立ちどころに一書になった。
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