2012年1月9日 のアーカイブ

初句会

2012年1月9日 月曜日

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松島海岸に近いホテルで正月を過ごした。料理に添えられていたつくばねの実。葉の長さが3センチもないような小さなものだが、羽子板で衝く追羽根そっくりである。いつだったか、石鼎の吉野を訪れた時に、つくばねの樹へわざわざ案内してくれた人がいたので、結構珍しいものなのかもしれない。この実に出合ったことを吉祥と思って、新しい年を歩み出すことにしよう。

初句会は祭日であったことから、平日では来られない人の参加もあって部屋は満員状態だった。俳句は集まることで相乗効果を自分に齎すものなのかもしれない。それだからこそ、みんなが集まるのだろう。事実、わたしにしてもこの会があるからこそ俳句を生み出せるような気がしている。これまで幾度も吃驚するような名句も生れている。人の句だからここに紹介するわけにはいかないが・・。

衝羽根(つくばね)はビャクダン科の落葉低木。写真の4枚の葉の根元が実である。塩漬けで保存して料理の飾にするそうである。今年はひさしぶりに吉野に行ってみよう。

大関靖博第四句集『五十年』 2011年 ふらんす堂

2012年1月9日 月曜日

「轍」主宰の大関氏は中学校で能村登四郎に出合ったことが、俳句を作るきっかけになったという。只今の己を見詰めた自照の句集である。どの作品にも静かに佇む作者の視線を感じる。

春暁に出てゆく猫を見送りぬ
ぼうたんの白き炎を燃やす闇
父の日はたとへば天の昼の月
仮の世といへどもこたびも障子貼り
生き恥を曝して生きる海鼠かな
柏餅無口の口を開きけり
豆を撒くおのれ自身の鬼にも撒く

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