大関靖博第四句集『五十年』 2011年 ふらんす堂

「轍」主宰の大関氏は中学校で能村登四郎に出合ったことが、俳句を作るきっかけになったという。只今の己を見詰めた自照の句集である。どの作品にも静かに佇む作者の視線を感じる。

春暁に出てゆく猫を見送りぬ
ぼうたんの白き炎を燃やす闇
父の日はたとへば天の昼の月
仮の世といへどもこたびも障子貼り
生き恥を曝して生きる海鼠かな
柏餅無口の口を開きけり
豆を撒くおのれ自身の鬼にも撒く

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