2011年4月22日 のアーカイブ

『爽樹』5月号より

2011年4月22日 金曜日

『ににん』2011年秋号 (筆者黒岩裕介)  
                            代表 岩淵喜代子   (通巻四〇号)季刊
                            発行所       埼玉県朝霞市溝沼
 
 平成十二年十月朝霞市にて岩淵喜代子により創刊。同人誌の気概ということを追求していきたい。    

   父母の知らぬ世に生き金魚玉   岩淵喜代子
 
 「金」をテーマとした「ににん集」の「金魚玉」と題した一句。〈父母の〉生きた時代と〈父母の知らぬ〉今とを結ぶものとしての「金魚玉」。それは時空を超えた宇宙空間の凝縮であり「命」を育むものでもある。感慨深い大きな一句。
  
   篭火に鵜使ひの所作うつくしき    伊丹竹野子
 
意欲的な企画「物語を詠む」で榎並左衛門五郎作の能『鵜飼』を詠んだ一句。甲斐の石和川で禁猟の罪で殺された鵜匠の亡霊が、旅僧に悔いて鵜使いを舞う最も美しい場面を、十七音で見事に詠み切った。幻想と詩情溢れる感銘句。

   漕ぐやうに鉾あふられて向きかはる  長嶺 千晶

 掲向も西口克己作『祇園祭』を詠んだ一句。室町末期、祇園祭復興に誇りと平和を希求した京都町衆の姿を描いたもの。山鉾巡行の見せ場「辻回し」を〈漕ぐやうに〉と捉え、祭復活の喜びとうねるような町衆の力を鋭く描いた。

  一冊の中の一生秋灯         中村 善枝
 
  一冊に一生が詰まっているという把握と作者の烔眼に畏服した。工員の中の一生〉に自らの生き方を重ねつつ秋の夜は更けてゆく。生きるということを問うて含蓄深い句。

                                              

百鳥』3月号・主宰大串章 

2011年4月22日 金曜日

現代俳句月評   筆者 青池 亘

聞き取れぬことばも混じり海鼠売     岩淵喜代子
         「俳句界」1月号より

かって新しい言葉は都で生れた。故に、都から遠く離れた地方には古い言葉が残っているという。ひなびた海辺の市のことばに、聞き取れないものがあるのだ。しかし、旅人に(聞き取れぬことば)の中には、古層の日本語が生きているのかもしれない。どこかエキゾチックな句である。

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