棕櫚剥ぎのはかどつてゐる埃かな
陽炎に入つてゐたる子供かな
瞬いてをりしところが芹の水
日の丸の上がつてゐたる冬支度
羽子つきのうしろが空いてゐたりけり
三枚に魚をおろせる野分かな
風呂敷に四角がありて桐一葉
現在『泉』副主宰。1950年生ということはこれから円熟をさらに見せてくれる作家なのであろう。しかし、句集ははじめから寂びを感じる作風で、これが泉風というのかもしれない。
棕櫚剥ぎのはかどつてゐる埃かな
陽炎に入つてゐたる子供かな
瞬いてをりしところが芹の水
日の丸の上がつてゐたる冬支度
羽子つきのうしろが空いてゐたりけり
三枚に魚をおろせる野分かな
風呂敷に四角がありて桐一葉
現在『泉』副主宰。1950年生ということはこれから円熟をさらに見せてくれる作家なのであろう。しかし、句集ははじめから寂びを感じる作風で、これが泉風というのかもしれない。
エプロンの膝ついて摘むつくしんぼ
真つ白の毛糸編みゐて母となる
蜜柑むく母のとなりにすわりけり
噴水のてつぺんに雲湧いてをり
椎の実やこつんと孤独深めけり
教室のうしろに繭の深ねむり
せーたーより白き菟を抱きにけり
1963年生 「泉」同人。静寂な視線で身辺を掬い取った作品集。そのなかに子育て、学校と言う職場、父母のことなどが淡々と詠まれているのが好感を抱かせる。
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