2011年9月12日 のアーカイブ

東京ポエトリー・フェスティバル 終了

2011年9月12日 月曜日

9日の夜から始まった東京ポエトリー・フェスティバルも無事に11日に終った。私の出番は11日の午前中。トップの朗読者は岡井隆氏で、80歳を越えていると読み始める前におっしゃったが、なかなか力強い朗読だった。いろいろな朗読者がいるもので、ギネマと名乗る朗読者の名前から外国人かと思っていたら、日本の女性。「演じる俳句」と言ったほうが解り易い。すでにいろいろな舞台で演じてきているようだ。

引き受けるときには、そんなにたくさんの句を朗読するとは思っていなかったが、「神話、その彼方へ」をテーマに25句を朗読することになった。過去の作品からのテーマに添った抜粋で選んだ句は以下の作品。「神話、その彼方へ」とは私なりにすべてのものが共存する世界、というふうに受け止めた。その共存の世界を詠んだもので、編集したのが以下の句。とにかく三日間連続は疲れたー

国津神

太古より壺は壺形初明り
終の雪白樺に降り馬に降る
名にし負ふ黄泉比良坂シャボン玉
伊邪那岐に伊邪那美ありて亀鳴けり
花ミモザ地上の船は錆こぼす
春眠のどこかに牙を置いてきし
十二使徒のあとに加はれ葱坊主
恋猫のために踏切り上がりたる  
語るたび瞳に夏雲を映しをり
噴水の虹は手にとる近さなる
逢ひたくて螢袋に灯をともす
金銀の毛虫は何処へいくのやら
天上天下蟻は数へてあげられぬ
緑蔭の馬の生年月日読む
スカンポを国津神より貰ひけり
国涼し一番鶏に目覚めては
魂も柘榴もひとつとかぞへをり 
鬼の子や昼とは夜を待つ時間
角(つの)のなき鹿も角あるごと歩む 
地獄とは柘榴の中のやうなもの
まるごとが命なのかも海鼠とは
狼の闇の見えくる書庫の冷え
かたはらに獏も冬眠するらしき
天地(あめつち)に影置かぬ鳥冬の旅
万の鳥翔ちて一羽の白雁も

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