1947年生れ「寒雷」「炎環」「つうの会」「や」 所属
栞・石 寒太 池田澄子
描いているのは日常些事であるが飽きさせない句集である。拾えば切りもなく現われるが、生きている実感を形作っている。
日に三度ご飯いただく梅の花
料峭のおほきなドアに辿り着く
天国を歩く練習尾瀬青原
ときどきは眉も使ひて年用意
赤いさざんかしろいさざんか先生来
鎌倉の白菜の値も見て帰る
太郎を眠らせ産業廃棄物処理場に雪
道は道に出会ひて別れ花の雨
おほいなる花野あらはる棺の中
雲の峰掃除ロボット掃除中