2010年12月 のアーカイブ

忠七めし

2010年12月11日 土曜日

   羅の母へ忠七めし奢る        喜代子

季節外れだが、今発売中の十二月増刊号 「全国ふるさと食の歳時記」に載せた句。埼玉県の食を「ににん」も担当したのだが、東京近郊のようなこのあたりはそれほど郷土色を感じる食に恵まれているわけでもない。だが数えれば、川越のさつまいもや熊谷の五家宝、それに小川町の「忠七めし」などはすぐ思いつく。

この「忠七めし」は岐阜県の「さよりめし」・東京の「深川めし」・津和野の「うずめめし」・大阪の「かやくめし」と並ぶ五大名飯なのである。伝統を今も受け継いで紙漉きの小川町の名物。その昔、山岡鉄舟の料理に禅味を盛れとの示唆で工夫されたお茶漬けだとか。海苔を思いっきりまぶしたご飯に、さまざまな薬味とお茶が添えられて出される。

「忠七めし」と名のつくお茶漬けを出すのが割烹旅館二葉。風格のある庭を眺めながらのお見合いなどの席にも利用されることが多いらしい。近くに名物となっている女郎鰻を食べさせるところもあるので、立ち寄るのに迷うところだ。

「ふるさと食歳時記」には「忠七めし」のほかに、以下の川越の「十万石饅頭」・秩父の「おなめ」・「狭山茶」・「芋せんべい」・「すまんじゅう」・「草加せんべい」・「深谷葱」などの句を発表している。

さつまいも洗ふや水を走らせて     望月 遥
流星群近づく戸棚の芋せんべい    尾崎じゅうん木
十万石饅頭食はん台風下        川村研治
夕立の真中にゐてすまんじゅう     武井伸子
深谷葱煮るやひとりの時間濃し     長嶺千晶
五家宝の粉こぼれをり夏つばめ     木津直人
狭山茶の幟のならぶ日和かな      牧野洋子
冷酒と秩父おなめが無二の友      伊丹竹野子
翁忌や草加せんべい焼く匂ひ      上田禎子

師走

2010年12月2日 木曜日

ityou

これまで黒目川の土手の散歩が楽しみだったのは桜もみじがきれいだったからだ。このごろは街中が美しい。地上にも空にも、銀杏の街路樹がきれいだ。うかうかしているうちに12月である。見とれていてまた転ばないようにしなければ。この前は無傷だったが、次も無傷という筈がない。

「ににん」記念号の打ち合わせも大詰めにきた。あとは校正刷りを待つだけになった。いろいろな頁を見ていると雑誌のイメージも想像出来て、新しい雑誌を手にとる実感も湧いてきた。やっぱりプロは違う。気になっていた表紙の絵も当初のものとは差し替えた。若山君は不機嫌な様子。

創刊五周年のときにはセンチュリーホテルで大袈裟な祝賀会をした。それは「ににん」のお披露目も兼ねていたから、それはそれで意味あることだった。十年目の今回は雑誌に精力を使うことにした。その雑誌が出来上がった直後の1月16日の日曜日に会員とににんに執筆して下さった人に呼び掛けて内輪の祝賀会を行う。場所は高田馬場駅から一分のホテルの2階にあるレストラン。今日正式に予約をしてきた。食事は「きっとお気に召すと思います」という女性の言葉を信じることにする。

ところで、ただ黙々と食事をするのは地味過ぎる。「ににん」らしく詩や小説、俳句の朗読もいい。詩は田中庸介が慣れている。正津さんもできる。小説は購読者のたりたさんが最適。いつも正津ゼミで当日の課題作を朗読してるが、16日に空いていればいいが。問題なのは俳句の朗読である。八木忠栄さんが引きうけて貰えるるといいのだが。世界俳句協会の大会でも慣れているはずだ。

とにかく転ばないで過ごさないと。

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