1947年生れの「船団」所属・年齢を知らなければ、もっと若い作家かと思うほど自由な発想がある。これは、所属の「船団」の気風というか共通した特徴である。
ふるさとは田の字の間取り青田風
足踏みの蛇の目のミシンと金木犀
七人で金庫を運ぶ春一番
転がった五人が起きる春の土
通という叔母がいて白寿猫柳
九十の坂越えるなら紋白蝶
青梅やビルに定礎の年月日
初夏の水買っているインド人
藻の花や知人の知人又知人
日本をくすぐっている猫じゃらし
1947年生れの「船団」所属・年齢を知らなければ、もっと若い作家かと思うほど自由な発想がある。これは、所属の「船団」の気風というか共通した特徴である。
ふるさとは田の字の間取り青田風
足踏みの蛇の目のミシンと金木犀
七人で金庫を運ぶ春一番
転がった五人が起きる春の土
通という叔母がいて白寿猫柳
九十の坂越えるなら紋白蝶
青梅やビルに定礎の年月日
初夏の水買っているインド人
藻の花や知人の知人又知人
日本をくすぐっている猫じゃらし
結社「絵硝子」主宰の五年間の作品集。確実な歩みと思える一集である。
だんだんに声の揃ひて十日夜
花冷えの万年筆となりにけり
木に掛けておくもの空の虫籠は
理由もなくかたまり歩く子等に夏
地下濠の涼しさだんだん恐ろしき
考えてをれば無花果熟れてきし
マフラーの先余るとも足らぬとも
人は柔軟と言う言葉を使うかもしれない。しかしそれとも少し違うやわらかな感性が、ゆるやかな時間空間を作っている。
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