島の猫七夕竹の下くぐる   坂本宮尾   

猫が七夕竹の下を通り過ぎたという何気ない光景である。
ここでは、一句の冒頭にある(島の猫)が、その七夕の季節に密度を与えて、七夕竹の下をくぐった猫の行方が気になるのである。

ほかに(翡翠を見し夜包丁よく切れる)(ひととせや樗の花を身に浴びて)(末黒野に煙のやうに雨が降る)などと、さり気なく日常とその先の非日常の掬い取れる。それが、一句の世界に奥行きを広げている。坂本宮尾句集『別の朝』  2016年  図書新聞

コメント / トラックバック1件

  1. 坂本宮尾 より:

    このたびは、拙い句集にお目通しいただき、猫の句をお採りあげいただき、ありがとうございます。
    ミヤオの俳号の通り、猫の姿を見ると、なんとか句にしたいと
    思ってしまいます。
    あたたかいお励ましに感謝しています。
    宮尾

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