山崎聡第六句集 『遠望』   20013年  角川書店刊

人ひとり寒い景色の遠いところ
葛湯吹きへこみたるところが昭和
リラ冷えの日光月光菩薩かな
打ちあげられたる満月のうしろがわ
てのひらのくらいところが熱帯夜
地下都市の長い階段なめくじり

象徴的にことばを選んでいるのだが、それがきわめて日常に近い時空、言い換えれば虚実皮膜のバランスの良さによって作者の描く時空が視覚感覚で宜える。

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