羽黒山全国俳句大会

10月2日、3日に行われた羽黒山俳句大会選者を勤めてきた。この大会の歴史は古く、昭和31年に虚子が選者となって以来、毎年行われている。この機会を生かして羽黒山だけでなく湯殿山も見てこようかということになり、総勢八人の一行で訪れた。

いでは文化記念館の伊藤さんが鶴岡駅までマイクロバスで迎えに来てくださったので、思いっきり楽な旅が始まった。初日の目的は羽黒山の五重塔である。五重塔はたくさん見ているが、ここの五重塔は何故か印象的で忘れられなかった。なぜ忘れられなったかといえば、素木の塔だったからだろうか。

その塔が杉の樹間のどこから見ても美しかった。夜、あちらで用意してくださった私の部屋に入ったときに、その部屋をめぐる廊下の木材が同じものであることに気がついた。木目の間が白く浮き出る。その白さが一見白い色を塗ったかのようにも見えたのだ。

部屋は斎館の奥まった位置にある香嵐亭という二部屋続きの茶室。朝、ガラス戸の外を狸が横切った。仲間たちの部屋がどこなのかわからないほど広い建物である。二日目の大会の賞品にはお米も出た。それが10月1日に発売された「とち姫」。やっぱり庄内平野だ。

2日目の宿泊場所は湯野浜温泉で部屋から弓なりの水平線が見えた。その夜も宴会だ。3日目は宿のそばにあるクラゲの水族館を見てから、湯殿山へむかった。金子兜太が腰を抜かしたという逸話の残るご身体も仰いだ。

前日、宮司さんがこことは違う山菜料理へ案内するとおっしゃってくださったとおりに、山菜の数々が並んだ御膳を用意して待っていてくださった。鶴岡の駅から帰路に着くまでの三日間、ほんとうに熱い歓待を受けてきた。同時に大会に寄せる地域の方々の意気込みも感じられた。

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