口笛に枯野の真中ゆれはじむ   鈴木太郎

もともと、枯野は風の吹きやすいところである。口笛を吹きながら枯野を眺めていると、野が揺れているのに気がついたのだろう。その揺れを認めたことで、枯野がより鮮明に広がりを見せてくれる。口笛と枯野の取り合わせにより不思議な光景になった。

(鈴木太郎第五句集『花朝』  2017年   本阿弥書店)より

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