一日ただ子規忌に凭れゐたりけり    岩淵喜代子

『天衣』2月号 現代俳句鑑賞
筆者・古田雅通

『俳句』十二月号(子規忌より)子規の忌日は九月十九日。子規は俳諧革新運動の中心となり、江戸期までの俳諧の発句を明治期に俳句として独立させた。日本の文学史上画期的な革新であった。それだけに子規忌は俳人にとって特別な日である。

「子規忌に凭れゐたりけり」との比喩表現により、子規忌があたかも堅固な柱のような存在として立ち現れる。作者はこの日、俳句の礎を築いた子規への思いを深め、俳句の原点を見つめたのであろう。「一日ただ」「ゐたりけり」との措辞からは、子規への敬意の深さが伝わってくる。
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『松の花』2月号 現代俳句管見
総合俳誌より    筆者・平田雄公子

白露の候、今年は敬老の日でもあった9月19日の、「子規忌」。没後百十余年の大先達に、「凭れ」る許り。

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『俳壇』2月号 俳句月評・12月号の作品  筆者・高橋博夫

(「俳句」12月号子規忌」21句より
正岡子規が三十四歳で亡くなったのは明治三十五年九月十九日。ときに病床での痛みに耐えかねて「号泣」した、その亡骸の傾きをなおすために肩に手をかけた母・八重は「サア、も一遍痛いというてお見」と強い調子で語りかけ、落涙したという。

彼の多方面の文芸上の業績は、若き日の喀血以降に短命を意識したことときりはなせない。「凭れる」には、そうした子規に寄せる親身な追慕がかよう。

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『獅林』2017年2月号 総合誌の秀句鑑賞   筆者・森 一心

『俳句』12月号 特別作品21句「子規忌」より
「子規忌」は、正岡子規の期日、9月19日。獺祭気、糸瓜気ともいう。子規は今更いうまでもないが、名は正岡常規。俳人・歌人で、我々が今日俳句を学べるのは、すべて子規が作り上げた道を歩けるからである。

別号は獺祭書屋主人、竹の里人。伊予(愛媛県)生まれ。日本新聞社に入り記者となる。俳諧を研究、雑誌「ホトトギス」に拠って写生俳句を首唱した。作者は、この日、一日中、子規のことのみ思い続け「凭れ」切ったのである。

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