真実を追い越して行くかたつむり   前田霧人

かたつむりが進む姿を想像しても、動いているのかいないのか解らないほどの遅々とした移動の姿しかない。それなのに、この句の蝸牛は意志を著わに、力強く突き進んでゆく。

真実を追い越した先にあるのは自由なのかもしれない。

他に(初蝶は海の底から生まれるんです)(水色の蝶空に舞い空になる実を追い越して行くかたつむり)(居酒屋の廊下に段差河童の忌)など。「前田霧人第二句集『レインボーズ エンド』 2016年 霧工房」より。

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