大学に育ちし零余子封筒に   森山いほこ

句意を説明する必要もないほど、明快な世界が提示されている。誰もが一度くらいは、こんな経験をしているので、ことに懐かしい風景である。

そのなかでも、ころころとこぼれ易い零余子の幾粒かを封筒に入れる時の感触や音やらが懐かしく蘇る。

「森山いほこ第一句集『サラダバー』 2016年 朔出版」より。、

冬薔薇の束を抱きて九階へ
サラダバー横歩きして銀漢へ
秋茄子の皮を剥がせば渚色
春昼のバス待つやうに鱧を待つ

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