筍にざくりと深き鍬の跡   天野美登里

筍は春の季語のように思いがちであるが、夏なのである。二月から五月ごろまでと、収穫の時期がながいのが春だと思わせてしまうのかもしれない。

地中に潜っている根のあたりを鍬で掘り出すのである。そのときの根の辺りの鍬の跡に焦点を当てて、掘り出したばかりの筍を鮮烈に描いている。

他に(塩味のかくれてゐたる豆御飯)(ホームから線路におりる冬雀)(日溜りに出てくる冬のきりんかな)など、(天野美登里第一句集『ぽっぺん』2016年 ウエップ)より。

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