落葉焚のぼるけぶりに日あたれり   本郷大地

このごろは落葉焚きの出来るところが少なくなった。
いくら掃きよせてもそれ程大きな嵩にはならない落葉の山を燃やすのは穏やかな風の無い日を選らぶ。火をつけても、ゆっくりと燃え上がる落葉焚火は煙が先に空を目指して昇ってゆく。その煙の柱に日ざしが当たる。それが、なぜか心の平安の象徴のようである。

ほかに(散紅葉その真中より立てる幹)(寒林の人声やがてすぎにけり)(蕗の葉のそよぎおくれぬ草の中)など、作者の視線に共感する作品が並ぶ。本郷大地句集『天鼓』  2015年   文学の森

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