お醤油を一滴たらし冬の山   荒井みづえ

一滴の醤油が山なのか、山が一滴の雫なのかという錯覚を起こさせる虚実皮膜が魅力的である。作者は俳人で画家の糸大八氏の夫人。(箸立に長き黒穂のねこじやらし)(文机に昨日の通草ありにけり)など、画家の視線を感じる。

荒井みづえ句集『絵皿』 2015年  書肆麒麟

 

岩淵喜代子記

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