号泣のごとくソフトクリーム崩れ   中嶋陽子

大きなソフトクリームだったかのようにも思える。ソフトクリームの崩れてしまうのは悲惨である。その状態を号泣のごとく、という措辞によって、その存在感が確かになった。他に以下のような句に惹かれた。

花野来て大聖堂の扉かな
数へ日川の真中に日のあたり
子がひだり右見てひだり鳥雲に
日盛りに据ゑたる牛の体重計
子に話すやうに白菜洗ひけり

中嶋陽子句集『一本道』 2015年 ふらんす堂
栞・南うみを

岩淵喜代子記

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