足裏の火照りてきたる盆踊    岩淵喜代子

筆者  赤木和代

(ににん夏号より)生活「踊」の傍題「盆踊」の解説に、俳句では単に「踊」というだけで、盆踊を意味する。盆踊は平安初期の空也上人や時宗の一遍上人が広めたと言われる念仏踊を起源とするもので、盆に迎えた霊を供養し、かの世へ送り返すためのものであったという。

今では、娯楽の要素が多い。櫓を中心に二重三重の輪を作って踊っていることが多い。盆踊の曲も新しいものは馴染がないが、昔から踊っている曲は自然と手足が動く。岩淵氏の句、時間の経つのも忘れるほど没頭して踊り続けたのであろう。下駄と足裏の摩擦熱も感じられる句である。(「笹」2014年10月号・現代俳句月評より)

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