『好日』2014年8月号  主宰・長峰竹芳

俳誌月評  筆者・広畑美千代

「ににん」冬号  通巻53号 季刊
代表岩淵喜代子。平成12年埼玉県朝霞市で岩淵喜代子が創刊。発行所朝霞市。

火と灯の祭祀「奈良」若草山焼き
伊丹竹野子作品「山談義」より
春日野の春を先取るお山焼
山焼きて寺領争ひ止めたといふ

岩淵喜代子作品「冬萌え」より
寂々と日の彩りの霜柱
梟に胸の広場を空けてをく

ににん集  (兼題 広場)
をちこちで白き息たつ広場かな   新木孝介
椋鳥鳴きて広場は影の中にある   木津直人

さざん集
これはこれは入場無料懐手     山内美代子
産声は秋の嵐を貫けり       阿部暁子

木佐梨乃氏「英語版奥の細道を読む」、正津勉氏「乞食路通」、高橋寛治「定型詩の不思議」、田中庸介氏「わたしの茂吉ノート」など連載は読み応えがある。代表の講演記録『二冊の「鹿火屋」』を八頁に亘り掲載。「秀句燦燦」には長峰竹峰句集『暦日』より(どんぐりは真正直に落ちてゐる)を抽出。?ぎ立ての句群は素朴な俳味と滋養に充ち、噛めば噛むほど味わい深いと鑑賞。
巻末には付録として五氏によるエッセイ集「雁の玉章」がある。

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