藤田直子第三句集『麗日』 2014年5月  本阿弥書店

前句集の『秋麗』、そして結社誌『秋麗』を創刊して5周年になる。その期を同じにして『麗日』は上梓されている。

残されし身の揺れやすき燕子花
巻いてもらふ長マフラーの軸になり
七度目のひとりのさくら仰ぎけり
身の丈の舟に寝てをり花のなか
姥とならむこの世の落花食べつくし
一舟に立ちてひとりの白露かな
鶴一羽とほき日差しを歩みをり
山城は山に還りぬほととぎす
草の根へ春雨とほる出雲かな

自身の人生を静かに辿る詠み方が人柄を現わしている。
(一舟に立ちてひとりの白露かな)、この句には「秋麗」創刊のまえがきがある。白露の季語の斡旋そのものが意志を表現している。
季語が目の前にあるというのではなく季語が自身の思想になっている句集である。
その思想を託されてマフラーが巻かれ、桜を仰ぎ、鶴が見詰められている。

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