小笠原和男第7句集『手持ち顔』 2013年1月 角川書店

春の鹿同じ貌して坐りけり
縁側を歩いて見せて烏の子
鳥の貌入れて枯木は手をつなぐ
死ぬことを忘れてゐたる十二月
もう一度坐り直して花の下

年齢からくる悠揚とした心境、そうして達観の境地から見える風景は自己と対象物とが同じ次元に置かれている。鹿が同じ顔して坐るという捉え方は、こう表現されることで個性になるのである。

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