いさ桜子第二句集『游華』 2013年1月

朝市の地べたに雛飾りをり
美術館春の氷を育てをり
動物園春ストーブのがうがうと
呼ばれたるごと花吹雪花吹雪
百合ありしところに百合の花粉かな
風渡るところが動き青みどろ

意外なところに置かれた季語が新鮮である。美術館にある氷はことに美しく感じるし、動物園の中のストーブも意外な存在である。百合があるところに百合の花粉があることは当たり前なのに、この叙述が深遠な世界へ誘われる。

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