有馬朗人第9句集『流転』2012年11月 角川書店

霜の花咲かせ錬金術師住む
北海の港大きな染卵
狐火の村へ携帯電話かな
昼寝覚エデンの東より戻る
絹の道宿の大きな金魚かな
汝もまた神の子なるぞ蠅生まる
耳無し芳一語れば水母騒ぎけり

二句目の染卵の存在感にことに感心した。いかにも日常のようにも思えてしまう復活祭の卵である。句集では「狐火」、「絹の道」、「耳無し芳一」などの言葉がの取り合わせによって新鮮な世界であることに堪能した。今回の句集もまた、世界を行き来しながらの作品集である。

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