松尾隆信第七句集『美雪』 2012年 本阿弥書店

まだだれも入りてはをらず菖蒲園
妻の父逝きて10日や桐一葉
住みなれて障子に小さき穴ひとつ
セーターの深雪一歳手を振れり

一句ごとが、何気なく提示されているのだが、工夫が感じられる。それによって季語の輪郭が明確になった。

涼風に真向ひて矢を放ちけり
足音のお花畑に残りけり
あけび蔓引くや羽衣引くやうに
天と地と五歳の少女初明り

後半にいくと、虚を取りこんで奥行きを出す内容の句が増えている。『美雪』はお孫さん名前のようだ。

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