煥乎堂

今日は煥乎堂の前社長の葬儀の日。行かれないので夕べのお通夜に行ってきた。入口に二郎氏を偲ぶ写真があった。小林二郎氏は友人である京子さんのご主人である。その縁もあって現在も書店の六階の会議室で句会を行っている。写真集は受付で手渡された冊子にもあった。

現在の社長小林卓郎氏が高校生、二人のお嬢さんが大学生の頃の一家の写真だ。京子さんと知り合ったのはそのころであるが、「ににん」の創刊号にも名前を連ねていた。二郎氏が夫人の亡くなったあともダンデイな着こなしを保っていたのは、もともと服は全部ご自分で選んでいたからだ。

渡された冊子には夏目房之介著の「あっぱれな人々」から小林二郎氏についての抜粋が転載され、そのダンデイ振りが軽妙なタッチで描かれていた。忘れていたが、そこには偶然夏目房之介も小林二郎氏も利用していた赤坂の料亭「しるよし」のおかみ竹村芳子さんのことにも触れている。竹村さんは小林氏の亡くなったことを知っているのだろうか。享年八十六歳の二郎氏と似た年齢の筈である。長年「ににん」を購読して頂いている。お礼をかねて明日は電話をしてみようと思う。

前橋の煥乎堂書店は創業百年を越えた北関東随一の大型書店である。当時、私は句会のあといつも三階の画廊へ立寄ってお茶を御馳走になりながら、ひとしきりおしゃべりをしてから帰ってきた。書籍などもそこでお願いすると店員さんが見付けてきてくれた。ときに、必要な本を探して貰うと、もう絶版になっていますと報告が入る。そんなときに小林氏が居合わせると「一冊くらいはどこかにある筈だ」と、店員さんから註文書を受け取ると、何やら書き込むのであった。果して、その次の会で絶版の筈の本が手に入るのだった。

そう言えば当時の専務さんが「ににん」を「ユリイカ」のような感じだといつも元気付けてくれた。変っていなければ今も土屋文明記念文学館の館長さんだが、お元気だろうか。

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