『天為』 11月号 主宰有馬朗人

現代俳句鑑賞        筆者五十嵐義知

 涼風の通ふところに集合す    岩淵喜代子

水面を吹きぬけてくるのか、打水のあとを吹く風か、涼風の通るところがある。あるいは冷房の自動ドアーの付近かもしれない。暑さのために自然にその場所が待ち合わせ場所、集合場所となってしまったのである。建物の影にかくれるように信号待ちをしている光景も、涼風の通る場所とは異なるかもしれないが、日差しを避けるために自然にそのようになるのである。

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