武田肇第五句集『二つの封印の書 二重フーガのための』2011年 銅林社

この一書は表紙にアーデルハイトの封印』とあり裏表紙には『エーリスの封印』とある。そうして奥付には『二つの封印の書 二重フーガのための』とある。詩人武田氏が編む句集はただ一句一句をは積み重ねていくのではなく、意識的に編み、意識的に積み重ねた句集ということだ。一年間の作品を四つのムーブベント–「冬至祭」「アリスの相圖」「秋深し」「異言」–に分けている。とは言っても、読む側にその素養がないので、一句一句を独立して読むことになる。

木の股に冬至の音を聴いてをり  
ねえさんと呼んでみたきは初氷
夕焼や一高櫓に一看守
噴水の乾かばにほひ暮の秋
秋止めて塀のあつまる町目界

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