関口勝夫第六句集 『天平』 2011年8月 東京四季出版

  笹団子いづれも深き結び跡
  龍勢の桟敷の青竹露凝る
  見送りし競馬の砂塵顔を打つ
  十六夜の西湖円盤きらら照り
  犬と子をれんげの海へ解き放つ
  飼はれたるものより猛き鶏頭花

 旅の句が多いのは、即物的に眼前の風景と一体になりながらの作句姿勢の現れなのだろう。一句をといわれたら迷い無く「長昼寝覚めて捨子のごとく泣く」を選ぶ。昼寝の覚め際の茫洋とした気分が蘇る。

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