高下なおこ第二句集『虹二重』2011年・本阿弥書店

  堂内に打ち水己が心にも
  花とべら天の鳥船待つ浜辺
  燕の子改札口を見下ろして
  急磴はそのまま天へ木の芽風
  一枚の鋼となりて鷹渡る
  たぶたぶと船底たたく秋の水

昭和14年生れの「太陽」編集長である。作者は「太陽」の創刊の広島県三原で生れている。三原は尾道に近い瀬戸内海際のおだやかな土地である。句集『二重虹』はその空気を盛り込んだ作品集で、どの一句を取り出しても広々とした空を感じる。気が付いたら、屋内の句は見当たらなかった。

コメントをどうぞ

トップページ

ににんブログメニュー

HTML convert time: 0.191 sec. Powered by WordPress ME