(幽閉の日々)とは自らを振りかえってのことばではない。この言葉そのものが歴史を感じさせる措辞なのである。渡り鳥の中でも伝説を生みやすい雁、それも帰ってゆく雁との取り合わせによって、(幽閉の日々)の内容が物語めくのである。
秦夕美第十六句集『五情』 2015年 ふらんす堂
(幽閉の日々)とは自らを振りかえってのことばではない。この言葉そのものが歴史を感じさせる措辞なのである。渡り鳥の中でも伝説を生みやすい雁、それも帰ってゆく雁との取り合わせによって、(幽閉の日々)の内容が物語めくのである。
秦夕美第十六句集『五情』 2015年 ふらんす堂
春は季節の気配にことさら耳を傾けるときかもしれない。寒さに凍えていた体が訪れてくる春への気配を自ずと探っているからだ。(ぶつかつて音の生るる)は、ともすれば見過ごしてしまいそうな、さりげない措辞である。しかし、次の(春)の季題によって俄かに雪解水などの活気ある水音が蘇る。
嶌田岳人第一句集『メランジュ』2015年 東京四季出版 序 河内静魚 跋 深沢暁子
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