春眠暁を覚えず

ベットで仰向けのまま、こんな本にしてしまってはもう買って返すかないなー、と覚悟を決めていた。脳裏に焼き付いた赤ペンの色はますます冴えてきた。でも、どうしてあんな破れたのだろう。それも腑に落ちない。夫が掃除機をかけながら変な持ち方をして破ったのだろうか。ページを開いたまま眠ってしまって私の身体でもみくちゃにしてもあんな傷み方はしない。

本のページの端が破れた。というよりは、むしりとったように欠けていたのだ。しかも、ページには赤いボールペンの書き込みがたくさんある。誰かが部屋に入ってきて悪戯をする筈もないとすれば、犯人はわたし以外にはないのである。

破れはとにかく赤ペンの書き込みなんて雑誌なら時にはやるかもしれないが、この本は図書館から借りたものである。しかも、リクエストして買って貰った本で、私がその新刊の最初の読者である。どこからか、小人がやってきてみんなで悪戯をしたとしか思えないような汚れ方、破れ方なのである。

いろいろ思いめぐらしているうちに、夢かなと思った。あわてて仰向けの体を裏返して枕元の本を手にとってみた。どこにも破れもなければ書き込みもない。なーんだ、目覚める瞬間に見た夢なのだ。朦朧とした夢の覚め際に悩んでいたのだ。ホッ

コメント / トラックバック2件

  1. じあん より:

    あ゛ー、びっくりした。

  2. お騒がせしました。
    夢と覚醒の間を経験したひとときでした。(笑)

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