鷹柱立つてふ山に鷹一羽  増成栗人

増成栗人句集『遍歴』 2015年9月  本阿弥書店より

作者は芭蕉の(鷹ひとつ見つけてうれし伊良虞埼)を念頭におきながら鷹をうち眺めていたのだろう。そうして、その芭蕉は(巣鷹渡る伊良湖が崎を疑ひてなほ木に帰る山帰りかな 『山家集』)(ひき据ゑよいらごの鷹の山がへりまだ日は高し心そらなり『壬二集』)などの歌を念頭におきながら鷹の句を詠んだのであろう。他に(米原で大勢が降り入り彼岸)(人と座し仏と座して日の短)(傘寿とは夕かなかなの十重二十重)など。(筆者・岩淵喜代子)

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