人はみな闇の底方にお水取    岩淵喜代子

筆者 蟇目良雨   (「春耕」2015年5月号より転載)

奈良東大寺二月堂の 縁下に集まっ て人々はお水取りの 行事 の 始まりを待つ 。二月堂内では練行僧による修二会が行われ、 夜八時ころの 初夜を過ぎると堂縁を大松明が走る。堂の下に 集まっ ている人々は降りかかる火の 粉に歓喜する。お松明が 無くなればまた真の 間に取り残される。みな闇の底方に居てお水取りを見守る。(「 俳句四季」2015年4月号花辛夷16句より)

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