昼さがり遠くの水へ落椿
竹秋のまばゆさをふと疎みけり
島影に島影重ね青簾
振り上げし鋏下ろせず蟹と蟹
竹咲くや平家納経銀乾く
眺めやる青田に誰も居らずなり
水音の落ちゆく先へ蛍かな
ごちやごちやと鴨や家鴨や橋の下
緑陰に憩へば旅にあるごとし
人日や老いゆくことを知恵はじめ
揺らぎつつ列を保てり雁の群
まことに端正な作品集である。作品が人格を、あるいは作品が人生を重ねるということなのか。いずれにしても間違いなく作者の視点を書き表したものなのだろう。
昼さがり遠くの水へ落椿
竹秋のまばゆさをふと疎みけり
島影に島影重ね青簾
振り上げし鋏下ろせず蟹と蟹
竹咲くや平家納経銀乾く
眺めやる青田に誰も居らずなり
水音の落ちゆく先へ蛍かな
ごちやごちやと鴨や家鴨や橋の下
緑陰に憩へば旅にあるごとし
人日や老いゆくことを知恵はじめ
揺らぎつつ列を保てり雁の群
まことに端正な作品集である。作品が人格を、あるいは作品が人生を重ねるということなのか。いずれにしても間違いなく作者の視点を書き表したものなのだろう。
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