花行脚の最後

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25日・26日の旅は桜を思いっきり見る旅。といっても写真のように盛は過ぎていたが、その代わりに樹相がみごとに浮き上がって、錦絵のようになった。

旅行のあとは食傷気味になるのはいつものこと。今回の宿はそれほどの御馳走があったわけでもなく、最後に佐久平途中下車での鯉料理くらいだったのだが・・・。今日の食傷気味は多分旅の疲れからだろう。お茶やコーヒーは咽喉を通るのだが、食事をする気にはなれないまま神保町の東京堂に出掛けた。会の始まる前に喫茶店に拠る余裕があると思っていたのだが、目論見が外れてそのまま会場に入る羽目になったので、ドリンクはジュースを選んで、一息ついた。

今日のトオークショウは、『最後の思想』の著者富岡幸一郎氏と『吉本隆明論集』の著者田中和生氏。発行元のアーツアンドクラフツ刊行記念の催事である。司会が正津勉さん。語りを聴いているうちに、三島由紀夫と吉本隆眀という二人の作家が、戦後という時代と闘ってきたことが少し理解出来た。生き残ってしまったとい想いと助かったと言う想いの両方を抱えていたのだ。俳人ではそれに近い思想を持っていたのは高柳重信あたりなのだろうか。

そして、『最後の思想』・『吉本隆明論集』の本と並んでいたのが正津さんの『風を踏む』であった。同じアーツアンドクラフツ社の刊行だ。著書は写真でも解るように小説「日本アルプス縦断記」、すなわち碧梧桐の足跡を追っているらしい。この日本アルプス縦走は作者正津勉氏自身も辿ったのだろうと思う。
burogu

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