飯野きよ子第三句集『花幹』 2013年2月 角川書店

星とんでからだの中に島一つ
春愁の麒麟が空を舐めてをる
春の猫闇の四隅に髭触れて
障子貼るくわりんの一つ在るうちに
草束ね置く八月の父の椅子
しもつけの闇がおほきな蛍籠

風土を身体感覚で受け止めた誠実な作風。一句目の星の宇宙と我が体内の宇宙が重層的にひろがる。二句目の(空を舐める)も納得できる。

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